供養の供養

ニコ生で話した話なんですけど全然浄化されないのでもう少し微に入り細を穿ち描写してみようと思います。これでまーしゃーないなとならなかったらこれはまだ時効じゃないんでしょう悲しいことに。



小学校に上がってから登下校を自分たちだけでするようになって、登校は地区ごとに班を親たちが決めてくれて列になって歩いてて会話もへったくれもなかったから問題ありませんでした。問題は下校です。学年ごとにコマ数が違うので同じ学年の仲のいい子と出来る限り一緒に帰るということで、僕と家の方向が近い同学年の女の子は一人だけだったのでその子とほぼ強制的に一緒に帰ることになりました。
その子とは保育園が違ったので、家の方向は同じと言えど距離はそこそこ違い、だいたいその子の家から学校までの三分の一の道のりに僕の家はありました。しかもその子は僕と方向を合わせるために少し遠回りさせられていたらしく、生ではどうでもいいと思われていたと言いましたがたぶん僕は少し嫌われてました。
当時から僕はコミュ障だったし家にゲームも漫画もないしピアノも編み物もできないし(その子はピアノと編み物を習っていた)話しかける材料が本当になく、他の子がそこそこ仲良くワイワイ石を蹴ったり花を摘んだり遊びながらゆっくり帰る中、僕たちだけは無言で異常に早く家に着いていました。
他の子たちの帰る様がうらやましく、その子と話せるようになりたくて色々考えている間にそこそこ時が流れ、2年の夏になりました。その日彼女は下駄箱前で水筒を直角に傾けて、水が残っていないのを残念そうにしていました。その様を見ていた僕はこれだ!と思い、見ていたことがバレないようにその子から少し遅らせて校内を出て、校門で合流して帰り道で緊張しながら声をかけたわけです。
こうしてまとめてみるとたぶん僕は最初から心が読めるとは言ってないと思います。その日僕は初めて自分からその子に話を振ってとても緊張していたから、心が読めると言うことから水筒の件まで器用に話題を誘導なんて真似は恐らく出来なかったでしょう。だから、最初の一言はきっと「早く家に帰って水飲みたいんじゃない?」だったと思います。キモ!なんだこいつ!やばいやつですね。彼女の答えは「なんで分かったの?」でした。これは考えたことが当たってめちゃくちゃ気持ちよかったのでよく覚えています。誰か過去の僕に調子に乗るなと言ってください。
それで、僕も聞かれてキモさに気付いたんですよねたぶん。このままでは盗み見て話題を探していたことがバレるなと。それで、緊張と考えたことが当たった気持ちよさと焦りで訳が分からなくなっていた僕は言ってしまったのです。「心が読めるんだよ。」と。恥ずかしい。生きることって恥が増えていくことですよ 。
その後、もう一度読んでくれと言われ、僕のことを考えていて心を読めるというのが本当か疑っていると答えました。彼女は当たっているとものすごく驚きました。今、彼女は僕を見ているから僕のことを考えているし、疑っているからもう一度やって欲しいと言っているのだなと考えた僕の勝ちでした。これも気持ちよかったですが変なことを言ってしまった恥ずかしさと焦りも多々あったので水筒の件より記憶が朧気です。そして彼女は爆弾を落としました。
「どうやってやるのか教えて。」
僕はさらに焦りました。あまり覚えていないのですが、あんまり人に教えたくないとか絶対誰にも教えないでねとかその約束とかをして時間を稼いだ気がします。その必死の念押し(時間稼ぎ)で恐らくこの出来事はより信憑性を帯び、彼女はそのときは完全に心が読めるのだと信じましたし、長らくこの嘘が露見することもありませんでした。
僕は結局こう答えました。
「目をよく見ていれば分かるよ。」
僕が心を読んだと言って話したことは全て外見や行動の観察結果だったので、これは半ば本当のことでした。それを聞いた彼女は一生懸命僕の目を見て、私のことを考えているでしょと言いました。本当に彼女のことを考えていたし、嘘がバレたくなかった僕は肯定したと思います。1対1で話したことのなかった彼女と見つめ合うことがとても恥ずかしかったので会話に集中出来なかったこともあり、その後のやりとりは曖昧です。何日か下校時に二人で心を読み合うと言う名目で見つめ合って歩いたと思います。恥ずかしい。
その少し後、死にかけのコウモリを見つけてどうにか看病しようと二人で虫をあげてみたり、草で布団を作ったりしたのが本当に仲良くなったきっかけだった気がするので、恐らくこの出来事には何の意味もありませんでした。
また、生でも話したとおり、小学校卒業間近にこのことについてその子に聞かれてものすごく恥ずかしかったです。何とも答えられず、へらへら笑って流してもらったと思います。


キモさの要点と自分がついた嘘の要点が分かってしまった。なんというかその年頃にしては周りの行動見てて調子に乗ったクソガキだったから嘘とか難癖とか似たようなこと色々言ってた気がするのがやばい。絶対小学校の同窓会には行かないという決意がこれ以上ないくらい固まりました。